ブログ

子どもの歯並び、いつから歯医者に相談すればいい?経過観察?矯正治療?の考え方

「子どもの歯並びが少し気になるけれど、今すぐ矯正した方がいいの?」「乳歯のうちは様子を見ても大丈夫?」

お子さまの歯並びについて、このような疑問をお持ちの保護者の方は多いのではないでしょうか。

子どもの歯並びや顎の成長には個人差があり、すべてのお子さまが早い時期から矯正治療を始める必要があるわけではありません。一方で、成長の途中だからこそ、早めに歯科医院で確認しておいた方がよい歯並びや噛み合わせもあります。

今回は、子どもの歯並びを相談する時期や、経過観察と矯正治療の考え方について、分かりやすく解説します。

1.子どもの歯並びは何歳頃から相談すればよい?

歯並びの相談に「必ず何歳から」という決まりはありません。気になる症状があれば、乳歯の時期からでも相談できます。

一般的な目安は次のとおりです。

3~5歳頃:乳歯の歯並びやお口の癖を確認する時期

この時期は乳歯が生えそろい、顎やお口の機能が発達していく時期です。

歯並びだけでなく、受け口、口がいつも開いている状態、口呼吸、舌を前に出す癖なども確認します。

すぐに矯正治療を始める必要がない場合でも、お口の状態を把握し、成長を見守ることが大切です。

6~8歳頃:永久歯への生え変わりが始まる時期

前歯や奥歯の永久歯が生え始め、歯並びや噛み合わせの変化が目立ってくる時期です。

歯が重なって生えている、上下の前歯の噛み合わせが反対になっている、噛んだときに顎が左右どちらかにずれるなどの場合は、一度歯科医院で確認してもらうとよいでしょう。

症状によっては、成長を利用した治療を検討することもあります。

9~12歳頃:永久歯への生え変わりが進む時期

永久歯への生え変わりが進むと、歯が並ぶスペースが不足していることや、噛み合わせの問題が分かりやすくなる場合があります。

歯並びや顎の成長、永久歯の生える位置などを確認し、経過観察を続けるのか、矯正治療を検討するのかを判断していきます。

※年齢はあくまで目安です。歯の生え変わりや顎の成長には個人差があるため、年齢だけで治療の必要性を判断することはできません。

2.こんな症状があれば、一度相談してみましょう

歯並びが少し悪く見えても、必ずしもすぐに矯正治療が必要とは限りません。

成長に伴って歯の位置や顎の形が変化することもあるため、現在のお口の状態を確認したうえで、治療が必要かどうかを判断することが大切です。

一方で、次のような場合は、早めに歯科医院で相談することをおすすめします。

  • 下の前歯が上の前歯より前に出ている「受け口」
  • 上の前歯が大きく前に出ている
  • 歯が重なって生えている、永久歯が並ぶスペースが不足している
  • 噛んだときに顎が左右どちらかにずれる
  • 口がいつも開いている、口呼吸や舌の癖が気になる

これらの症状があるからといって、必ず矯正治療が必要になるわけではありません。ただし、状態によっては早めに確認することが大切です。

3.歯が生えそろう前から定期的にお口の状態を確認しましょう

お子さまの歯や顎は、成長とともに少しずつ変化していきます。そのため、歯並びが気になってから受診するだけでなく、乳幼児期から歯科医院に通い、定期的にお口の状態を確認しておくことをおすすめします。

小さい頃から定期健診やむし歯予防で通院することは、むし歯を防ぐだけでなく、お子さまが歯科医院の雰囲気や診療に少しずつ慣れる良い機会にもなります。また、定期的にお口の中を確認することで、歯の生え方や歯並び、顎の成長の変化にも気づきやすくなります。

「まだ歯が生えそろっていないから、歯医者に行くのは早いかな?」と思っていませんか?

乳歯が生え始めた頃から歯科医院に通うことは、むし歯予防だけでなく、お子さまのお口の成長を見守ることにもつながります。まずはむし歯予防を兼ねた定期健診から始めてみませんか?

定期的にお口の状態を確認していれば、必要に応じて適切なタイミングで歯並びについて相談できます。早くから矯正治療を始めることが目的ではなく、お子さまの成長に合わせて必要な対応を考えていくことが大切です。

4.子どもの歯並びには、どのような治療方法がある?

矯正治療にはいくつかの方法があり、お子さまの年齢や歯並び、顎の成長、治療の目的などによって選択肢が異なります。

プレオルソ

主に成長期のお子さまを対象とした、取り外し式のマウスピース型矯正装置です。歯並びだけでなく、口周りの筋肉や舌の使い方、口呼吸などの習慣にも着目して使用します。

ただし、すべての歯並びを改善できるわけではなく、適応には個人差があります。

拡大床

顎の幅や歯列のスペースなどを考慮して使用する、取り外し式の装置です。歯が並ぶスペースが不足している場合などに検討されます。

使用できる症例や期待できる効果には限りがあり、成長や噛み合わせの状態を踏まえた判断が必要です。

インビザライン・ファースト

成長期のお子さまを対象とした、透明なマウスピース型の矯正装置です。適応条件を満たす場合に、歯並びや歯列の問題に対して使用します。

装置を決められた時間装着することが重要になるため、お子さま自身の協力やご家族のサポートも必要です。

ワイヤー矯正

歯に装置を取り付け、ワイヤーの力を利用して歯を動かす治療方法です。歯の移動を細かく調整でき、症例によっては有効な選択肢となります。

どの方法が適しているかは、歯並びや噛み合わせの状態、成長段階などによって異なります。装置の特徴だけで決めず、お子さまに合った治療方法を検討することが大切です。

5.早く治療を始めればよい、というわけではありません

子どもの矯正治療では、成長を利用できるという利点がある一方で、早く始めることが必ずしも最善とは限りません。

早期に治療した方がよい場合もあれば、永久歯への生え変わりを待ちながら経過を観察した方がよい場合もあります。

また、成長期に治療を始めても、永久歯が生えそろった後に追加の矯正治療が必要になることがあります。

そのため、治療を検討する際には、次の点を確認することが大切です。

  • 現在の歯並びや噛み合わせに問題があるか
  • 顎や永久歯の成長をどのように見守るか
  • 今、治療を始めるメリットがあるか
  • 経過観察を選んだ場合、いつ頃再評価するか
  • 治療に必要な期間や費用、装置の管理が可能か

大切なのは、早く治療を始めることそのものではなく、お子さまにとって適切な時期と方法を選ぶことです。

6.経過観察も、大切な選択肢のひとつです

歯並びの相談をすると、「何か治療を始めなければいけないのでは」と心配される保護者の方もいらっしゃいます。

しかし、診察の結果、現時点では大きな問題がなく、成長を見守ることが適切と判断される場合もあります。

経過観察は、何もせずに放置することではありません。定期的に歯並びや噛み合わせ、顎の成長、永久歯の生え方などを確認し、必要に応じて治療を検討する方法です。

一方で、状態によっては早期の対応が望ましい場合もあるため、自己判断だけで長期間様子を見るのではなく、歯科医院で確認することをおすすめします。

当院では、歯並びが気になるお子さまに対して、すぐに矯正治療をおすすめするのではなく、現在のお口の状態や今後の成長を踏まえて、経過観察を含めた選択肢をご説明することを大切にしています。

7.よくある質問

Q.乳歯の歯並びが悪くても、永久歯に生え変わればきれいになりますか?

乳歯の時期の歯並びが、永久歯に生え変わることで変化する場合はあります。ただし、すべての歯並びが自然に改善するわけではありません。受け口や顎のずれなど、早めに確認した方がよい状態もあるため、気になる場合はご相談ください。

Q.歯並びが少しガタガタしています。すぐに矯正した方がよいですか?

歯の生え変わりの途中では、一時的に歯並びが不揃いに見えることがあります。すぐに治療が必要とは限らないため、歯の生え方や顎の成長、永久歯が並ぶスペースなどを確認して判断します。

Q.矯正治療をしないで、経過観察だけでも大丈夫ですか?

お口の状態によっては、経過観察が適切な選択肢になることもあります。ただし、定期的に状態を確認し、変化に応じて対応を検討することが大切です。

Q.歯並びが気にならなくても、子どものうちから歯科健診に通った方がよいですか?

はい。乳幼児期からの定期健診は、むし歯予防や歯磨き習慣の確認に加え、歯の生え方や顎の成長を見守る機会にもなります。また、早いうちから歯科医院に慣れておくことで、お子さまが落ち着いて受診しやすくなることも期待できます。

まとめ|定期健診で、お子さまのお口の成長を見守りましょう

子どもの歯並びは、年齢や成長によって変化します。早めに矯正治療を始めた方がよい場合もあれば、定期的に確認しながら経過を見守ることが適切な場合もあります。

大切なのは、歯並びだけを見るのではなく、顎の成長や噛み合わせ、永久歯の生え方、お口の癖なども含めて、お子さま一人ひとりの状態に合わせて考えることです。

歯が生えそろう前から、むし歯予防を兼ねた定期健診を受け、お子さまのお口の成長を一緒に見守っていきましょう。

おおたに歯科・こども歯科では、お子さまのお口の健康を守りながら、歯並びや顎の成長を継続的に見守っていきます。矯正治療を始めた方がよいのか、まずは経過を観察してよいのかなど、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

お子さまの成長に合わせて、一緒に適切な方法を考えていきましょう。

この記事の監修者

大谷 隆一郎(おおたに歯科・こども歯科 院長)